ノート・コピー機の用紙・文庫本なども、A判・B判などの決まった形でそろえられています。これは、日本工業規格(JIS規格)で規定されているものです。皆さんにもなじみのある漫画の単行本なんかはB6サイズです。
大きく分けてその他に平判(※カットしてある紙のこと)では四六判、菊判、ハトロン判など様々あります。ちなみにA判とB判には、いずれも最大0判から最小10判までのサイズがあります。
下の図は、全紙(1号)と、規格判の比例です。
数字(規格サイズ)が小さくなると、紙のサイズはどんどん大きくなっていきます。
A5を基準にしてみてみると、A5の2倍がA4、A4の2倍がA3です。
B5を基準にしてみても、B5の2倍がB4、B4の2倍がB3です。
B5とA4ノートではA4ノートのほうが大きいですが、同じ規格判で比べると、B判のほうが大きいのです。
A判のルーツはドイツの工業院規格が採用され、現在は国際標準化機構(ISO)の国際規格になっています。
B判は日本独特のものであり、江戸時代に徳川御三家の御用紙であった美濃紙がルーツと言われています。
ところで、皆さんもプリンターを使うことがあると思いますが、リーガル、レターというサイズをみかけたことはありませんか?
これは、日本のB判と同じようにISOには規定されていない、米国独自の規格です。
国によって文化が異なり、紙の規格サイズもそのなかの一つなのです。
海外を訪れる機会がありましたら、本や紙のサイズを比べてみるのもいいのではないでしょうか。その国の歴史がみえてくるかもしれませんね。
紙のサイズが、どのように決められているのかというと、これがなかなかおもしろい!A・B判、ともにサイズの比率は、同じなのです。
まず、正方形の対角線を、1点を固定し水平になるまで回転させます。
移動した対角線を1辺とする長方形ができます。対角線はルート2なので、できあがった長方形の縦横の比率は、1対ルート2になります。これをルート矩形といいます。
A・B判は、どちらもルート矩形なのです。
黄金比という比率はご存じでしょうか。別名「神の比」ともいわれ、人間が最も美しいと感じる比率といわれています。
クフ王のピラミッドの側面にある三角形を図のようにすると、
黄金長方形とほぼ同じ形の長方形が得られるそうです。
黄金長方形は、「長方形から正方形を切り取ると、残りの長方形が
もとの長方形と相似になっている図形」のことです。
このとき、長方形の2辺の比は、1:1.6180339887.........となり、この比を黄金比といいます。
ギリシャ時代の建造物、パルテノン神殿も、この黄金長方形にあてはまります。
その他に、ヨーロッパで造られた建築物、彫刻にもこの長方形と同じ比がみられるようです。
自然界にも黄金比のものがあります。オウム貝の対数螺旋、
つくし、ひまわりの種の右回りと左回りの数、松ぼっくりのかさ、などにみられます。
黄金比 は1.618・・・ですが、名刺のサイズ(91×55)は、縦横の比率が1.6545454・・と 黄金比率に近く、黄金長方形にあてはまるようです。
ちなみに、ミロのビーナスの黄金比は、つまさきからおへそまでと、つまさきから頭のてっぺんまでが1対1.618ということですが、好奇心から自分の比率を測ってショックを受けないようにしたいものです・・・。