製本の形式にはいろいろありますが代表的な綴じかたは「中綴じ」「平綴じ」「糸綴じ」「無線綴じ」の4つです。
図1(中綴じ) | 図2(平綴じ) | 図3(糸綴じ) | 図4(無線綴じ) |
図1は,「中綴じ」という形式で,週刊誌などに使われているホッチキスを背から打ったような形状のものです。比較的少ページ(紙質にもよりますが96ページ程度まで)の簡易な製本に使われます。この形式では8ページの倍数の16、32、64、80ページが標準ですが、4ページ以下は使えず端数ページはページとページの間を綴じるため扱いにくくなります。この形式の特長はノドまで完全に開き、針金綴じということで製本料が安いことです。小ロットでは手動機械、大ロットでは自動化機械で作業の効率化が図られています。
図2は「平綴じ」(横針金綴じ)という形式で文芸誌の多くが採用しています。教科書などもほとんどこの形式で、2ページ単位で厚いものにも対応できますがノドまで開かないので見開きページなどは見にくくなります。
図3は「糸綴じ」で辞典などなどに採用されています。この綴じ形式は8ページ、または16ページ単位で折りの真中をミシン(糸綴機)で綴じていくので背の部分は糸の伸縮によって柔軟性を保つことができます。糸綴じ形式では「本の背」を丸背や角背として自由に仕上げられ、ノドまで完全に開くので見開きページや本を読むのに便利です。「中綴じ」や「平綴じ」と違い1冊の中に単位ページがどれだけ入るかによって綴じ回数が変わり、ハードカバー仕上げが多いので製本料が高くなります。
図4は「無線綴じ」で、背を特殊なノリで固め表紙をその上から被せる形式です。2ページ単位で使用する用紙が自由にできます。かなり厚いものにも対応でき、ノドまで開くので見開きページに都合が良いという特徴があります。雑誌や美術カタログなどに採用されています。